先日の3連休はスキー場が賑わい、それに比例して怪我をする方も増えるので大忙しとなりました。
肩関節脱臼、コーレス骨折、鎖骨骨折、下腿骨骨折…など、ここまで外傷が多いのはスキー場ならではですね。
他院ではなんと、股関節脱臼の患者がみられたそうです。スキー場では何が起きてもおかしくはありませんが、それでも股関節脱臼は滅多に起こらない外傷ではあります。
現場の先生は患者が運ばれてきてすぐに救急車を要請したそうです。的確な判断で素晴らしいです。
スキー場現場で求められる能力とは

スキー場現場で求められる能力は、あらゆる外傷に対する完璧な処置技術・・ではありません。
誤解を生んでしまうかもしれませんが、もちろん処置技術は必要不可欠です。日々高め、努力していく必要があります。
スキー場現場に限ってのことではありませんが、処置を行う以前にとても重要なことがあります。
それは「判断と提案」です。
詳しく説明していきます。
①判断
外傷処置はするべき事がある程度決まっているので、実はそれほど難しくはないんです。
むしろ、難しいことをしようとするとそれだけリスクが高くなるので、無理せず専門医に紹介するのが原則です。
一番やってはいけない事は、全ての患者をみようとすること。
重要なのは「やる事」と「やらない事」をしっかりと線引きし、判断するということです。
現場で対応した方が良いものはしっかり処置を行い、専門医にまかせたほうが良いものはしっかり送る。
これをしっかり守ることが結果的に、患者様にも自分自身のためにもなります。
②提案
スキー場現場では「柔道整復師の業務範囲内であれば全て対応するべきか?」といわれるとそうではありません。
例えば対応可能であっても、敢えて行わないケースというのも存在します。
理由は状況により様々ですが、共通しているのは「患者が受診を希望されないケース」です。
患者がどこから来られたのか、車なのかツアーバスできたのか、子供なのか大人なのか、所持金や保険証の問題だったりなど、様々な要因が重なり、結果処置を希望されないケースがあります。
当然、患者が希望してないのに接骨院で処置を行うとトラブルになります。
・「救急車を要請する」のか
・「下山して山近くの病院へ行く」のか
・「現場で処置をして帰宅後に病院へ行く」のか
こちら都合ではなく、患者様にとって《一番良い》方法を判断し、そして提案するというのがスキー場現場では重要ではないかと思います。
処置を行う場合は患者によく説明し必ず同意を得なければなりません。
「患者さんが選択する余地がなかった」と強制的な印象を与えるような説明ではく、患者様が主体性を持ってこちらの提案を選択してもらうのがベストです。
もちろん状況・症状によっては患者さんの希望に添えないこともあるので、その辺りはしっかり判断しなくてはなりません。
まとめ
スキー場接骨院では本当に様々なシチュエーションに遭遇します。そしてその都度、患者さまにとってのベストを考え抜くことが自身の成長の成長に繋がります。
たくさん悩み、答えを出していく作業は、驚くほど自身を成長させるものだと思っています。
この何事にも変えられない素晴らしい経験をぜひ皆さんにも体感してもらいたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。