【動画で見る】コーレス骨折(橈骨遠位端部骨折)の整復法

 こちらの記事は柔道整復師向けの記事です。

スキー場外傷で発生率が最も高い外傷は、コーレス骨折(橈骨遠位端部骨折)です。

コーレス骨折はスキー場だけでなく日常でも多いとされる骨折で、3大骨折の1つと言われています。

ヒビだけなど比較的安定している場合はそのまま固定をして、後日病院受診で大丈夫ですが、

転位があり不安定性の強いものであれば、病院受診まで時間がかかる場合、初期対応として可及的な整復が必要なケースがあります。

今回はコーレス骨折の初期対応について見ていきましょう。

コーレス骨折とは?

コーレス骨折は、橈骨遠位端部の定型的骨折のひとつ。橈骨の手関節に近い部分で骨折し、遠位骨片が手背方向へ転位する。

発生機序は、転倒して手掌をついた際に橈骨遠位端に強い力が加わり発生するといわれる。腕を伸ばした状態で手掌をつくと体重が橈骨にかかり、手掌からの力が橈骨遠位端に加わる。橈骨遠位端部に強い屈曲力が働いて骨折に至る。
(Wikipediaから引用)

橈骨遠位端部骨折のうち、背側に転位しているタイプコーレス骨折といいます。

掌側に転位するものや骨折線が関節内に及んだりする様々なタイプがあり、
ざっくりまとめると、

  • 背側に転位→コーレス骨折
  • 掌側に転位→スミス骨折
  • 関節内骨折→バートン骨折・ショウファー骨折

に分けられます。

全体の橈骨遠位端部骨折の中でもほとんどがコーレス骨折であり、全体の約4分の3を占めると言われています。

臨床症状チェックポイント

現場でコーレス骨折を疑う際の臨床症状をあげてみます。下記の症状が当てはまるかどうか、チェックしてみましょう。

  1. 橈骨遠位端部の圧痛(背側・掌側・側面も必ずチェックする)
  2. 介達痛(軸圧痛・叩打痛など)がある
  3. 変形がある
  4. 患肢を健側の手で支えている
  5. 腫脹・皮下出血(スキー場現場では受傷直後の急性期なので出ない場合も多い)
  6. 握力が無くなる・物が握れない・手首が動かせない(自動運動で)
  7. 貧血症状・気分が悪いなど全身症状がある
  8. 拇指を伸展させると患部にひびく
  9. エコーで転位・不正がうつる

上記症状があれば、骨折を疑う必要があります。

重要なのは「この症状があるから骨折だ!」と決めつけない事です。上記症状をあくまでも判断材料として集め、トータル的に判断する必要があります。

コーレス骨折の整復法

まずは確認!外傷の初期評価「ABCDE」

外傷患者が発生した際に、はじめから患部をみてしまう、という方は多いのではないでしょうか。
まずは、生理学的徴候(バイタルサイン)に異常がないか。つまり生命にかかわる異常がないかをチェックする必要があります。
外傷患者の応急処置に入る前に、必ずABCDEに沿って評価していきましょう。

外傷の初期評価「ABCDE」

A(気道):正しく話せるか
B(呼吸):正常な呼吸を行えるか
C(循環):脈に異常はないか、皮膚の色や温度に異常はないか
D(中枢神経):意識はしっかりしているか、手足を動かせるか
E(脱衣と体温):体温は正常か、全身をみて他の部位に損傷はないか

↓詳しくはこちらの記事にまとめました

外傷の初期評価|緊急度を迅速に評価するための簡易版ABCDEアプローチ

2018.07.16

 

整復方法

実際の整復動画です(撮影許可をいただいております。)

ポイントと注意点

長管骨の整復の基本は末梢方向に引っ張ることです。方向と牽引力を間違わなければ、難しくはありませんが、整復操作前には患者様に必ず十分な説明と同意を得る必要があります。

  1. 長管骨の整復は末梢牽引が基本、変に回旋操作を加えてはいけない。
  2. 整復の流れは、①末梢牽引→②背屈(転位が強い場合)→③掌尺屈位で固定
  3. 固定時にずれないよう注意。持続牽引をゆるめないように。
  4. 整復操作時、上腕から前腕部をしっかりと固定する必要がある為、助手との連携が重要。
  5. 決して無理はしない。固執しない。少しでもおかしいなと感じたら無理せず専門医へ。

 

まとめ

骨折患者の初期対応として専門医(整形外科)へ早急な紹介が原則です。

転位があり病院まで時間がかかりそうであれば、応急的に整復と固定をすることはすごく意味のあることだと思います。少しでも戻すことで、皮膚の緊張や組織のテンションが下がり痛みはかなり楽になります。

ただし、整復を行う場合は患者によく説明し必ず納得を得なければなりません。

「患者さんが選択する余地がなかった」と強制的な印象を与えるような説明の仕方ではなく、
患者様が主体性を持ち、すすめられた選択肢から選択したという意識をもってもらうような説明を心がけましょう。




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